c The New York Public Library
現在も数多くの事件が取りざたされていますが、明治時代に起きていた不可思議な事件としてはどんなものがあったのか気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、明治時代に起きた事件について考えてみましょう。
都市伝説的?青毛布事件
明治39年、吹雪の夜福井県三国町の回船問屋である橋本利助商店へ、青毛布をかぶった男が早朝尋ねてきて親戚の急病を理由に続けて3人の人間を連れ出し、そのまま行方が分からなくなってしまった未解決事件があったとされています。
殺されたか行方不明にされた人物が恨まれている覚えがなかったことから捜査は暗礁に乗り上げて大正10年になると時効を迎えてしまうのです。
ところが、大正15年になると「私がその時の真犯人です」と名乗る人物があらわれたものの結局明らかな証拠はつかめずに真相は謎のままに終わったとされています。
なぜ「青毛布」というのかは、青毛布をかぶっていた男が訪ねてきたからなのですが、ネット上ではなぜか「赤毛布」と表記されることが多いようです。
明治時代にも、都市伝説的な事件はあったのですね。
阿部定は実は明治時代生まれ?
好きな男性の大事な局部を切除し逮捕された阿部定事件は有名ですが、実は阿部定は明治時代生まれというのをご存知でしょうか?
事件が起きたのは昭和11年のことで明治時代ではないですが、その主犯である阿部定が生まれたのは明治38年だとされています。
東京の神田に畳屋の娘として生まれた阿部定でしたが、15歳の時にふとしたことで強姦されたことが原因で「お嫁にいけない体になってしまったのだから」と家のお金を盗んでは不良たちと遊びまわるようになります。
娼婦や芸者として転々としながらであったのが阿部定が結果的に殺すことになった愛人、定吉でした。
なぜ男性の局部を切除したのか、という理由は、定吉の愛人であった阿部定は本妻に定吉の局部が触られるくらいなら取ってしまいたいという気持ちから切除してしまったと言われています。
明治時代の波乱な時代に生まれたからこそ、このような不可思議な事件の首謀者となってしまったのでしょうか。
リングのモデル?千里眼事件
日本のホラー映画で有名な「リング」には、実はモデルがいることをご存知でしょうか。
それが、明治時代の女性で「千里眼事件」の中心人物である御船千鶴子です。
実際には貞子のモデルというよりも、貞子の母親のモデルだったとされています。
超能力で透視ができる、いわゆる「千里眼」の持ち主と言われていた千鶴子は明治43年に東京帝国大学の福来友吉教授の下で千里眼の実験を行います。
その際には数多くの研究者やマスコミの前で大々的に実験をするものの、実験自体は失敗してマスコミや研究者は千鶴子の千里眼に対し否定的でした。
ただ、結果的に実験は失敗に終わったものの、スピリチュアルブームの火付け役となりその当時には「誰でも3分で千里眼になれる」といったハウツー本が出回ることもあったようです。
今度は触れず透視ができる女性、長尾郁子も実験をしますが何となく失敗に終わりマスコミが散々スキャンダラス的なことを書きつらねた結果、千鶴子は服毒死、郁子は病死と悲しい結末を迎えることとなったのです。
時代に関係になく、大衆やマスコミに振り回され結果的に真相がわからずお蔵入りとなった事件は明治時代でも現代においても数多く存在するのかもしれませんね。