画像c The New York Public Library, 2016
日本がこれまで歩んできた歴史の中で、明治時代は武家の世から近代国家へと大きく変化した転換しようと改革が行われました。
今の日本でもバブル経済が破綻し、これまでにはなかったデジタルツールの普及により、企業の在り方をはじめ、家族や個人の意識改革が促されています。
まして、名字帯刀が一部の武士にのみ許され、教育や行政区分なども藩を基盤としたルールから一新された明治時代には、大なたを振るわざるを得なかったのです。
3大革命といわれる明治の改革について、江戸時代といかに違うのか、政府が想定した近代国家の姿を考えてみます。
明治時代の3代改革とは?江戸時代との違いは?
明治時代の3代改革は、教育と軍隊、そして税制に施された改革です。
ひとつ目は、教育に関して、身分によって藩校や寺子屋など、受けられる教育機関が違っていた江戸時代の教育制度が、明治時代には身分の違いによらず、満6歳以上の男女は小学校に通わなければならない「学制」がしかれます。
二つ目の軍隊に関して、武士が戦いの中心であった江戸時代の軍隊制度が、明治時代には身分に限らず、ハタチ以上の男子が兵役に就く義務を課した「徴兵令」が施行されています。
三つ目は、土地の耕作者が年貢として大名や幕府に米を納めていた江戸時代の税制を、明治時代には収穫高ではなく、土地の値段をもとに税をかける「地租改正」が施行されています。
明治時代の3大改革は、武士を中心とした社会から近代国家へと生まれ変わり、効率的な国家運営を目指した改革といえ、今の時代の基礎にもなっています。
明治時代の3大改革による人々の生活の影響は?
明治時代の3大改革は、それぞれに人々の生活の影響を与えています。
「学制」の実施は、それまで子供を労働力と考えていた家庭も多く、当初の就学率は低く、小学校建設費用が地元住民の重い負担ともなりました。
「徴兵制」の実施は、働き手である若い男性が徴兵され農民の負担が増し、徴兵反対の一揆が起こっています。
そのためか、実際の兵役に就いた人の多くは、平民の次男や三男だったとされています。
「地租改正」の実施も、江戸時代と変わらない税負担への反発から、地租改正反対の一揆が起こっています。
いつの時代も、それまでとは違う制度を導入すれば反対や混乱が生じ、人々の生活は徐々に収斂する妥協点を見出してきたようです。
武士の支配から変わるための明治時代の3大改革
明治時代の3大改革は、それまでの武士が世の中を牛耳り統治した江戸時代までの世の中を近代国家とするために実施されています。
「教育」「軍隊」「税制」の三つに、「学制」「徴兵制」「地租改正」という大きな改革がなされています。
それぞれの改革は、それまでの生活常識とは違い、負担も多い面には人々の反発も多く一揆なども発生しています。
しかしながら、これらの改革は、日本が近代国家として歩み出す一歩目となっています。