明治時代の文明開化によってどんなことが変化したのか?

c The New York Public Library

明治時代に入って西洋から様々な文化や思想が入ってきたことで、日本はそれまでと全く違う生活を送るようになります。

では、実際には文明開化によって日本はどのように変化していったのでしょうか。

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文明開化って何?

明治時代に文明開化があったことは知っていても、実際に文明開化とはどんなものなのかよく理解していない人も多いのではないでしょうか。

そこで、文明開化についてもう一度考えてみましょう。

明治時代以前は、代々続いた将軍を頂点とした幕府が政治を取り仕切るのが一般的でしたが、江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜が、今までの政権を天皇に返還するという大政奉還を行ったことにより、政治だけでなく経済や文化など、江戸時代の日本からがらっと様変わりしていったのです。

特に、それまでは一部の地域でしか海外各国とやり取りをしてこなかったのを公に行うようになったことで、日本にヨーロッパやアメリカなどから数多くの文化や思想が入ってきます。

西洋の文化に触れてそれをまねることで徐々に近代化していくその動きのことを「文明開化」と言うようになり、それまで公には受け入れてこなかった西洋の文化を積極的に取り入れていったことが、結果的に日本を近代国家へと導き今日の先進国、日本を作る大きなきっかけとなったのです。

文明開化がもたらしたもの

では、具体的に明治時代の文明開化によってどんなことが変化していったのか気になるところです。

まず大きく変わったのは、服装です。

明治時代以前の服装と言えば着物が中心でしたが、西洋から洋服の文化が入ってくるようになると洋服を着始める人が増えてきました。

それも、日本人なりにアレンジをして着物のインナーとしてシャツを着る書生スタイルや、袴に編み上げブーツ、ショールを肩から掛けた女学生スタイルなどが人気を博します。

その他にも、今まで日本人が食べなれてこなかった牛肉を使った料理や、日本の伝統の和菓子とパンの最強コラボとなったあんぱんが生まれたのも、文明開化が大きく影響したからと言えるでしょう。

明治時代の文明開化が最も大きく影響したことは?

洋服や街並み、食生活に至るまでありとあらゆる分野で生活が一変していった日本ですが、実は文明開化によって最も大きな影響をもたらしたことはそれ以外にあることはご存知でしょうか。

それは、ヨーロッパなどから入ってきた啓蒙思想です。

啓蒙思想とは「人は生まれながらみな平等である」という欧米で生まれた新しい思想でした。

明治時代以前の江戸時代も、それ以前の時代にも日本には人がみな平等という考えはなく、今までの日本の歴史の中で比較的暮らしやすかったとされている江戸時代でさえ、士農工商という身分制度がありました。

しかし、西洋から啓蒙思想が入ってきたことは実は明治政府にとって都合の悪いことでもあり、またそれを利用して国民をうまく操ろうという考えもあったのです。

表面的にはみな平等だと「四民平等」を掲げた明治政府ですが、その裏では国民はみんな平等なのだからその分国家のために兵隊として働かなければならない、という考えにシフトさせようとしたのです。

もちろん、そんな動きに対して反発する人々も増え始め、それが結果的に「自由民権運動」と呼ばれるようになり、民主主義の中で憲法や国会を作りみんなで決めていこう、という現在の形へと移行していくことになります。

つまり、明治時代の文明開化によって啓蒙思想が入ってこないままだったなら、いまだに日本には徴兵制などがあったのかもしれないと思うと、歴史の中の出来事一つ一つにはなんて重みがあるのか感じることでしょう。

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