明治時代の1円の価値はどのくらい?どんなものが買えた?

画像c The New York Public Library, 2016

明治時代は、現在使われている通貨制度の基礎が作られた時代でした。

今回は明治時代の通貨制度、そして当時の1円は現代に換算するとどのくらいの価値があったのかについてご説明します。

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明治維新と通貨制度

明治政府は貨幣制度の統一を目指して、明治4年に「新貨条例」を定め、単位を「両」から「円」に改めました。

明治政府は通貨制度の統一を目指す一方で、近代的な銀行制度の確立のために、アメリカのナショナルバンクをモデルとした「国立銀行条例」を定めました。

この条例で全国で153の国立銀行が設立され、一定の発行条件の下で紙幣の発行権が与えらたのです。

そして明治10年には図柄や寸法が一新された紙幣(新券)が発行され、これが現在使われている紙幣の基礎となりました。

中央銀行としての日本銀行は、明治15年に設立され、日本銀行券が初めて発行され、日本の紙幣は日本銀行券に統一されました。

明治時代の1円の価値とは

現在の物価と明治時代の物価を単純に比べると、約3800倍だという数字が出ています。

つまり、1円イコール3800円となるのですが、実際には明治時代でも前半と後半ではかなりの価値の差がある事から、単純に比較することは難しいと思われます。

職業によっても所得の格差は大きく、明治30年頃の小学校の教員や警察官などのいわゆる公務員の初任給は8~9万円、大工などのベテランの技術者などは20円とされていることから、当時の1円は2万から2万5千円程度の価値があったとも考えられます。

明治初期の新貨制度では、それまでの1両を1円とし、1円は100銭、1銭は10厘です。

そして1厘は10毛、100糸、1000惣にあたります。

明治時代、1円でどんなものが買えたのか

物価の物差しとして、企業物価指数や消費者物価指数の計算式がありますが、ここではその難しい計算式ではなく、一般的な物価を参考にして明治時代の1円の価値をご紹介します。

明治時代の1円を現在の2万円で換算すると、明治8年ごろは1円で米2升(約30㎏)が買えたとされており、明治4年ごろのかけそばは一杯5厘でした。

木村屋で開発されたあんぱんは一個2銭(現在の約200円)、カレーライスは5~7銭、ビールの大びんは19銭で庶民が気軽に飲める価格ではありませんでした。

高価なものとなると、グランドピアノが750円以上で売買された記録があり、現在の価格にすると1500万円以上です。

明治32年ごろにアメリカから輸入され、現在では誰でもが乗っている自転車はその当時200~250円、つまり現在の400万円に相当します。

自動車になると1台5000円もしたとされていることから、自転車や自動車は富裕層しか所有できなかったことがうかがわれます。

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