明治時代に建てられて、現在でも東京に残る近代建築3選とは?

画像c The New York Public Library, 2016

明治時代の日本では、開国をきっかけに西洋文化を取り入れた近代建築が多数生まれました。

今回は、東京で現在でも現役で使用されている、明治時代に建てられた近代建築の中から、特にチェックしたい三つの建築をご紹介します。

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迎賓館赤坂離宮(東京都・港区)

東京の元赤坂にある迎賓館の建築は、東宮御所として明治42年(1909年)に建築され、日本の正式な迎賓館はこの赤坂離宮と京都にある京都迎賓館の二つだけです。

赤坂離宮は、鹿鳴館などを設計した外国人建築家であるジョサイア・コンドルの弟子に当たる宮廷建築家・片山東熊の設計によって、元紀州藩の屋敷跡に建てられました。

しかし、この建築のネオ・バロック様式の外観があまりにも華美で、また住居としての使い勝手があまり良くなかったことから、後の大正天皇である皇太子嘉仁親王がこの御所を使うことはほとんどなかったとされています。

そして皇太子嘉仁親王が大正天皇として即位した後には、離宮(皇居とは別に設けられた宮殿)として使われるようになり、その名称も赤坂離宮と改められました。

太平洋戦争後は国会図書館などいくつかの用途を経て、日本の国際化に伴って外国の賓客が増えたことから改修工事を重ね、迎賓館赤坂離宮となりました。

絢爛豪華な迎賓館の内部は現在では一般公開もされており、外観を含めて一度は観覧してみたい明治の建物となっていて、国宝にも指定されています。

ニコライ堂(東京都千代田区)

ニコライ堂は東京復活大聖堂とも呼ばれている、お茶の水にあるギリシャ正教の大聖堂で、現在でも信者たちが祈りをささげる場所でもあります。

関東大震災で被害を受けましたが、一部の外観と内装に変更が加えられて1929年に修復・改装されました。

外観はもちろん、建物内部の装飾やステンドグラスなど、中世ヨーロッパの雰囲気が漂っており、歴史を感じさせるとともに日本にいるとは思えないような空気が流れています。

このニコライ堂も迎賓館と同じく、ジョサイア・コンドルの設計によるもので、明治24年(1891年)に竣工された都内の明治時代の西洋建築の代表的な存在となっています。

慶応義塾大学図書館旧館(東京都港区)

200坪の広大な敷地の中に、本館・書庫・八角塔が並ぶ慶応義塾大学を象徴する建造物の一つがこの図書館旧館です。

図書館旧館は明治45年(1912年)に竣工した建築物で、三田演説館と共に国の重要文化財にも指定されています。

この赤レンガのクラシックな図書館旧館は、古い建築物でありながら保存状態がとてもよく、明治時代の雰囲気を現在でも醸し出しています。

昭和56年(1981年)の新図書館の完成に伴って、この建物は記念図書館・研究図書館として改修再生されて現在に至っており、大学構内は一般の人でも見学自由となっています。

改修や修繕を加えられ、役割を変化させながらも現在でも現役で残る明治時代の歴史的建造物たちは、明治時代の空気を肌で感じることができる大切な存在です。

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