本当は結構長生きだった?明治時代の寿命について

明治時代k (30)© The New York Public Library, 2016

今でこそ日本人の寿命は80歳前後で最近では人生90年という言葉も夢ではないと言われてきており、日本は世界でも有名な長寿大国として知られています。

では、文明開化が進んでハイカラな時代の幕開けであった明治時代の寿命はどのくらいだったのでしょうか。

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明治時代の平均寿命が40歳前後というからくりについて

現代人と明時代の人とどちらがより長く生きたのかという質問に、多くの人は「現代人」と答えると思われますが実はだからと言ってそんなに明治時代の人々の寿命がそこまで短命であったのかというと、そうではないとされています。

明治時代の平均寿命が男女ともに40歳前後とされていますが、そんなにも平均寿命が短くなってしまった理由として乳幼児の死亡率が高かったことからぐっと低くなったことが考えられます。

江戸時代には「7歳までは神の子」という言葉があったとされ、その意味として人間の子供とは認められておらず、神や霊などにも属していてあっちの世とこっちの世を行ったり来たりする存在だったとされていたからなのです。

それというのも、その当時の子供の死亡率が非常に低かったことが関係しており、江戸時代の風習や考え方を引きずりながらも文明開化を目指した明治時代も、平均寿命から読み取れるように江戸時代と同じく乳幼児の死亡率が高かったことを予測することができるでしょう。

ちなみに、14歳未満で亡くなった人を除くと平均60歳前後位の寿命だったようです。

女性は短命だった?出産はまさに命がけ

今でこそ女性は男性よりも長生きだとされており、特に旦那さんが死んでからその後に女性は10年以上も長生きするのに対し男性は奥さんが死んでしまうとわずか3~4年程で亡くなってしまうとも言われています。

では、明治時代の女性はどのくらい長生きしたのかというと、出産においては女性は常に死と隣り合わせであったことから死亡率も高かったのではないかと推測されます。

現在では周産期医療制度によってお産は病院でするのが一般的であり出産で死亡するのは珍しいケースですが、昭和20年前後までは自宅出産が一般的であり医療の介入もなかったので難しい出産の場合やトラブルに発展した場合には胎児とともに母体が亡くなってしまうのは珍しいことではなく、それこそお産は女性にとってまさに命がけの大仕事だったのです。

「お産は棺桶に片足を突っ込みながら行うもの」と言われていたのが昭和初期まで続いていたのですから、それこそ出産で命を落とす女性は非常に多かったとされています。

生活習慣病も少なかったから実は明治時代の人は健康だった?

戦後に医療技術が発展したことで現代人の寿命はさらに伸びたわけですが、だからと言ってそれが健康的に長生きしているのかと言えばそうではないとも言えます。

もちろん80歳を過ぎても元気で健康的な人もいますが、その一方で40歳代でなくなってしまう人も少なくない時代であり、それこそスキルス性がんではもっと早く亡くなってしまうこともあり女性の寿命はこの先男性に比べて3年ほど下がる可能性があるという研究結果もあるようです。

様々な薬が開発され、病気になっても治療できる環境にありながらもそれでも人間はウィルスや細菌に勝てずに死んでしまうことも多いのは明治時代も現代も変わらないと思われますが、明治時代と違うのは自らの生活習慣によって病気になり死亡するリスクが増えたのではないでしょうか。

きんさんぎんさんの愛称で親しまれた長寿な姉妹であるお二人は明治25年生まれであり、その他にも明治生まれの人というのはもちろん早くに亡くなった人もいれば現在でもご存命の人もいるとされています。

世界中のあるとあらゆるものが食べられる飽食時代、そして豊かな生活を手に入れた一方で、喫煙や飲酒、欧米化した食事などによって自分自身を病気や死に追い込んでいる現代を比べると、明治時代の人と比べてどちらの時代の方が健康的に生きているのかというのは難しいところだと言えるでしょう。

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