明治時代に初めてきちんと苗字を持つようになった日本人

c The New York Public Library

苗字と言えば、女性は結婚して苗字が変わることもありますが、男性の場合結婚した際に婿に入らない限りずっと親の苗字を名乗るのが一般的です。

しかし、明治時代は自分の苗字を好き勝手に決めていた、というのですがその真相はどんなものなのでしょうか。

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明治時代、苗字は勝手に名乗ってよかった?

明治以前の時代、江戸時代においても苗字を普通に名乗っている人もいましたが、幕府の政策により正式に名乗れるのは庄屋や名主、旧家や大商人などのほんのひと握りの人だけであったとされています。

一般庶民の間でもまれに苗字を名乗る人はいたとされていますが、それも一代限りの約束だったとされています。

それが明治時代に入ると、一般の庶民の間でも苗字を名乗るように明治政府から御触書が出て自分たちの名字を決めていくようになります。

好きなように勝手に名乗ってよかった、という記述もあるとされているようですが、基本は先祖のルーツにのっとってつけるのが一般的だったようです。

先祖のルーツがはっきりしない、わからないという場合だけ適当に付けていたとされていますがそれも非常に稀だったと言われています。

苗字を名乗るのは徴兵制度の利便性から?

明治3年になると、「平民苗字許可令」という命令が出て一般庶民も普通に苗字を名乗ることを義務付けられるようになります。

ただ、この平民苗字許可令によって課税されることを恐れた一般庶民はほとんど届け出をしなかったのであまり広まらなかったとされています。

その後、明治8年になると「平民苗字必称義務令」が出されたことにより本格的に一般庶民も苗字を付けるようになります。

そもそもなぜ一般庶民まで苗字を名乗らなければいけなくならなかったのかという理由については、徴兵制度が関係しているようです。

明治維新が起こって日本も各国列強と肩を並べるために強力な軍事力が必要だと思った明治政府は、いざという時に備えて国家が国民に対して服役を義務付けやすくするためにも、苗字を名乗らせたと言われています。

明治時代に夫婦別姓だった時期があった?

最近では仕事や個人を尊重し結婚していても夫婦別姓を名乗った方が良いという考え方の人も増えてきたようですが、現在の日本では相手の戸籍に入った方が旧姓を変えて戸籍の相手方の苗字になるのが普通とされています。

それが、明治9年に発令された大政官指令では、たとえ結婚し夫婦となっても女性側が旧姓を変える必要がなくそのまま使って良いという命令が発令され、明治時代の日本はしばらく夫婦別姓で過ごしてきたとされています。

中国などでも、結婚しても女性は夫の苗字に変更するのではなくそのまま自分の元の苗字を使い生まれた子供は父親の苗字を名乗るようですが、わが国日本においても夫婦別姓が採用されていた時期があり、それが明治時代だったのです。

しかし、あまり効果がなかったのかやはり同性の方が便利だったと思ったのか定かではありませんが、明治31年に明治民法が成立した際に結婚後の苗字は夫婦別姓から夫婦同姓に代わっていったとされています。

そのまま明治民法の中に夫婦同姓が組み込まれていなければ、現在の日本は夫婦別姓であったのかもしれませんね。

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