明治時代の1円の価値はどれだけ重いものだったのか?

明治時代k (37)© The New York Public Library, 2016

お財布の中をのぞいたとき、1円玉が入っているのを見て現代なら「これだけしかないのか」とがっかりすることがほとんどだと思われます。

しかし、明治時代においては1円には非常に高い価値があったことをご存知でしょうか。

スポンサーリンク
meiji-jidaiレクタングル大

現代の物価は明治時代の物価の3800倍?

明治時代は文明開化の影響で欧米の様々なものが輸入された時代です。

初めて目にするような不思議な物に出会った当時の人たちは、ただただ驚くばかりだったのではないかと推測できますが、その当時のお金の価値とはどれくらいだったのでしょうか。

現在の物価と明治の物価を比べると、3800倍とも言われておりそれを1円に換算すると1円イコール3800円となりますが、実際には明治時代と現代のお金の価値を比べるのはそんなに生易しいものではなく、明治時代の前半や後半でもかなりの差があるとされていますので、ただ単純に1円が3800円の価値があったと決めつけてしまうのは難しいところだと言えます。

職業によっての所得格差も大きく、明治30年ごろの警察官や小学校の教員などの給料は8~9円、一人前の大工さんやベテランの技術者においては20円だとされていることから換算すると、当時の1円は2万円程度ではなかったのかと推測できます。

1円でどんなものが買えたの?

では、実際に1円ではどんなものが買えたのかについて考えてみましょう。

明治時代の1円が現在の約2万円で換算すると、明治8年頃は米2升(約30kg)が買うことができたとされていますが、明治30年頃は米10kgで1円2銭だったとされています。

明治4年ごろのかけそばは1杯5厘ですから、1円なら200杯ほど食べられたとされています。

その他海外から輸入されたものとして、野球のグローブは1~2円(現在では2~4万円)、木村屋で開発されたあんぱんが1個2銭で現在の200円程度とされています。

カレーライスは5~7銭ほどで現在の物価で換算すると1000円以上になり、ビール大瓶は19銭なので今で言うところの3800円ですから、気軽で居酒屋で頼むことも難しいと言えるでしょう。

高いものとなると、グランドピアノなどは750円以上で、現代の物価に直すと1500万円以上となっており、とても庶民の手に届くような品物ではなかったとされています。

自転車がスポーツカー並みの値段?

今では多くの人が普通に所持して乗っている自転車は朝の通勤だけでなく子どもの保育園、幼稚園の送り迎え、学生の通学など様々な分野で活躍しています。

最近は駐輪場の取り締まりも厳しくなってきましたが、基本的にはガソリンもいらず幅も取らないので愛用している人も多いことでしょう。

その自転車の現在の価格としては、TVブランドなどでは2万円前後で買えるものから、中には5~10万までするものなど価格も幅広いですが、明治時代がどの程度だったのかご存知でしょうか。

明治32年頃にアメリカから輸入された自転車は、大富豪でなければ所有するのが難しい値段だったとされています。

その当時の1円の価値が2~4万円だったのに対し、自転車はなんと200~250円、つまり現在のお金で言えば400万円相当したとされています。

自動車で言えば1台5000円相当したのですから、お金持ちしか所有ができなかった理由がわかることでしょう。

スポンサーリンク
meiji-jidaiレクタングル大
meiji-jidaiレクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする