c The New York Public Library
豊富な種類の他に果物やナッツなどを混ぜ合わせて食べる進化系も誕生しているアイスクリームですが、実はアイスクリームはすでに明治時代から食べられていたのをご存知でしょうか。
今では当たり前のように食べられるアイスクリームも明治時代当初は超高級品だったとされています。
日本人が初めてアイスクリームを食べたのは江戸時代末期
アイスクリームは実は江戸時代末期にはすでに一部の日本人が食べていたとされています。
1860年に日本修好通商条約の書類を交換するため徳川幕府が派遣した海外使節団が渡米した際、ホワイトハウスで出されたアイスクリームを食べたのが初めのようです。
それまでの日本のお菓子と言えば、大福や団子などが一般的だった日本人にとって、アイスクリームは衝撃的なお菓子だったに違いありません。
その後、明治2年に初めて日本でもアイスクリームが販売されるようになります。
子供はとても買えない?明治時代当時のアイスクリームの値段は?
明治2年には、使節団の一人であった町田房蔵という人物が横浜馬車道通りに「氷水屋」というお店を開店し、氷と塩、そして牛乳と砂糖、卵黄というシンプルな材料を使って作った日本で初めてのアイスクリームの製造販売を始めます。
日本で初めてのアイスクリームは「あいすくりん」という名前で販売されたそうです。
このあいすくりんは鹿鳴館で外国の賓客を接待するためのおもてなしデザートしても用いられ大切な海外のお客様を迎える際に必要不可欠なデザートであったようです。
その後、風月堂や開進堂などもデザートメニューにアイスクリームを加えるようになり、明治35年には資生堂薬局内にアメリカのドラッグストアを参考にして作られたソーダファウンテン(現在の資生堂パーラー)を併設してアイスクリームとアイスクリームソーダの販売を始めるようになります。
ただ、あくまでアイスクリームは高貴な人々の食べ物であり、明治時代の当時の価格は5000~8000円もしたとされており、子供はもちろん庶民には高根の花であったとされています。
アイスクリームが一般家庭で食べられるようになったのは大正時代に入ってからのようです。
明治時代のアイスクリームが味わえる?「横濱馬車道」
日本のアイスクリームは明治2年の横浜赤レンガ倉庫にある横濱馬車道付近で販売されたのが始まりとされています。
当時は、卵と牛乳と砂糖のみで作られた非常にシンプルな味だったそうですがその明治時代のレシピを参考にして現代風にアレンジしたアイスクリームが現在も発祥の地である横浜赤レンガ倉庫で楽しめるのです。
オススメのカスタード味は明治時代のレシピを最も再現しているアイスクリームで、シャリっとした触感と優しい甘さが後を引く美味しさです。
明治時代のあの文明開化の味を味わいたい人は、横浜赤レンガ倉庫前のお店限定のアイスクリームを食べてみてはいかがでしょうか。