明治時代の日本人の身長は?

明治時代k (18)© The New York Public Library, 2016

食の欧米化が進み、ダイニングテーブルで幼少期を過ごした若者たちの中には身長170センチ以上、股下80センチという人も珍しくない現代ですが、明治時代の日本人の身長はどのくらいだったのでしょうか。

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明治時代は男性も女性もミニモニサイズ?

江戸時代は最も食事の栄養バランスが悪く、米と漬物だけを食べていたために脚気になることも珍しくなかったのですが、明治時代においても江戸時代の名残を引き継ぎ、日本人の身長は世界各地域と比べても圧倒的に低かったとされています。

男性は155センチ、女性に至っては145センチが平均身長だったとされていますが、150センチ台と言えば、今どきの小学校高学年よりも低い身長と言えます。

一昔前に身長の低い女の子ばかりを集めてユニットを組んだアイドルグループが存在し小さくて可愛いと評判になっていましたが、明治初期においてはそのグループと変わらないくらいの身長のハイカラ紳士や礼服を着た軍人さんなどが普通に街を歩いているのを現代の私たちが見ると、非常に不思議な光景に感じることでしょう。

なぜ日本人の身長は低かったのか?

明治時代に限らず、江戸時代においても身長が低かったとされる日本人ですが、実は縄文時代においては江戸時代の時の身長よりも高く、中でも弥生時代は圧倒的に高い身長だったとされています。

特に江戸時代は他の時代に比べても突出して身長が低く、生類憐みの令で有名な徳川綱吉などは122~124センチ程度だったという記述まであるとされており、それが幕末になって明治時代へと移行するのですから急に高くなるようなことは期待できないと言えます。

しかし、なぜそこまで日本人の身長は低かったのかというと食生活の影響が大きいと言えます。

幕末から明治時代初期にかけての庶民の食事というのは、麦飯と漬物、野菜の煮つけや魚の干物など非常に質素な食生活であり、肉類などの動物性たんぱく質を食べる機会が少なかったことから身長が低かったのではないかと考えられています。

明治時代に入って欧米諸国の食べ物がたくさん入ってきたのは確かですが、一般庶民には効果でなかなか口にできないこともありそのまま魚や麦飯などの質素な食生活が続いたために、明治時代に入ってもそれほど身長が劇的に伸びることはなかったのでしょう。

明治時代からずっと伸び続けている日本人の身長

明治時代の初期には男性であっても155センチ程度が平均身長であったのが、明治30年頃になると驚異的な変化を遂げていき大正時代に入ったころには165センチと10センチも平均身長が伸びていきます。

これは、乳幼児以降の成長期にしっかりと動物性たんぱく質、特に乳製品を摂取していたことが大きく関係しているようで、明治初期は比較的高価で庶民には手の届かなかった牛肉、バターやチーズなどの乳製品を生活が豊かになった庶民も口にできるような値段になったことが大きいのかもしれません。

現在も身長は伸び続けている傾向にあり、現在の日本の平均身長は男性が170.3センチ、女性の平均身長が158センチとされています。

また一方で、身長は伸びたものの米国のように深刻な肥満で悩んでいる人も増えてきており、生活習慣病を発症している人も増えてきているとされています。

身長は大きい方が良いと考えがちですが、それに加えてがんなどの病気などのリスクも高い現代と明治時代とではどちらが幸せなのか判断するのは難しいところと言えるでしょう。

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