日本人は明治時代から腕時計を付けるようになったって本当?

c The New York Public Library

最近の若者はスマホで済むからと腕時計を付ける人も少なくなってきていますが、ある程度の年齢の人は高価な腕時計を付けるのがステイタスとなっています。

明治時代には腕時計はどのように発展していったのでしょうか。

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明治時代は腕時計より懐中時計が主流だった?

現在はほとんどの人が腕時計をしていますが、明治時代の頃はどちらかと言えば懐中時計の方が主流だったとされています。

日本の歴史を紐解くと、まず最も古い時計としては掛け時計が始まりであり、その後時計を持ち歩けないかということで懐中時計が持ち運ばれるようになりました。

日本では江戸時代に和時計が作られたのですが、明治時代に入り明治政府が太陰暦を廃止して太陽暦を採用し、明治6年にゼンマイ式の振り子時計が輸入されるようになると日本でも次々に時計メーカーが誕生するようになります。

やはり時計自体も海外から伝わったのが最初であり、明治12年に初めて国産の懐中時計が作られたとされていますが、腕時計の登場にはまだ時間がかかったようです。

海外においても、老舗のブランドほど始まりは腕時計ではなく懐中時計が始まりだったとされており、明治時代に西洋の影響を色濃く受けた日本で懐中時計の方が主流というのは当たり前のことと言えるでしょう。

腕時計の始まりは懐中時計からアレンジした?

では、実際に腕時計はいつごろ作られるようになり発展していったのでしょうか。

腕時計の始まりも、そもそもは懐中時計が起源だったとされており、ボーア戦争の際にイギリスの兵士が懐中時計に革ベルトを着けて持ち歩くようになったのが始まりとも言われているのですがこれも諸説あり、すでに日清戦争の際に日本兵の手に腕時計が巻かれていた写真があることから、ドイツが腕時計の起源とも言われているようですが、実際に腕時計の起源は定かではないとされています。

実際に懐中時計から腕時計に移行していったのは、第一次世界大戦頃であり機能性が高いことから採用されたようです。

当初、腕時計は女性のブレスレットの延長のようなイメージが強く女性用と揶揄されあまり普及されなかったと言われています。

第一次大戦頃に広まったことを考えると、日清戦争の頃に日本兵がしていた腕時計は懐中時計に革ベルトを付けたものだったのかもしれません。

兵士さえそんな状態ですから、もちろん一般庶民で腕時計をしている人も非常に少なかったことが考えられます。

日本で腕時計が作られるようになったのは?

懐中時計は既に江戸時代末期から明治時代にかけて使用されていましたが、やはり時計を持ち歩くというのは一部の上流階級のみに許された贅沢な行為だったとされています。

大量生産できる腕時計よりも一つ一つ精巧に作られる懐中時計はやはり今でも高価であり、もちろん明治時代当時も非常に高価なものだったとされています。

日本で国産の腕時計が作られるようになったのは大正時代に入ってからとされています。

服部時計、現在のセイコーが大正2年に初めて「ローレル」という国産初の腕時計を発売し、その後国産初の「自動巻き式腕時計」も販売されるようになります。

東京オリンピックの頃には、世界の名だたる時計メーカーを抑えてセイコーの機械式ストップウォッチが公式計時機器として採用され、これを契機に日本の時計が世界に認められるようになるのです。

明治時代に一時期は腕時計があったものの、やはり登場するまでにはかなりの年月を必要だったことがわかると言えるでしょう。

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