© The New York Public Library, 2016
もはや最近では家族の一員として欠かせない存在でもあるペットですが、文明開化が進んだ明治時代にはどんなペットが飼われていたのでしょうか。
明治時代はウサギ税があったって本当?
犬や猫は不動に人気を誇っていますが、泣かないし臭くないし散歩の必要がないという理由からウサギがひそかにブームになったことがあります。
実は、明治時代においても非常に人気のペットだったとされています。
ウサギは飼育が簡単で食用にもなることからもてはやされ、珍しい種類なら高額で取引できたことから、ウサギで一儲けしようと言う輩も増えただけでなくウサギブームにのっとってその当時は「ウサギ税」なるものも徴収されていたようです。
明治6年、「兎取締ノ儀」という法律が制定されウサギ一匹につき1円の税金を徴収するようになります。
1円と言えば、米2升(約30kg)が買えた時代ですからこのウサギ税がどれだけ高額であったかわかるかと思われます。
そのウサギも、珍種であれば1匹150~450円という値段でバブル時代も真っ青の値段で取引されていましたがこういった異常な時期というのは自然と終息を迎えるものでそのウサギ税も制定されてから6年余りで終了したとされています。
カメとチンコロとは?
カメというのはいわゆる洋犬やその雑種のことで明治や対象において犬を指す言葉として用いられたとされています。
明治時代に入ると犬とともに犬をパートナーとして飼う習慣が輸入され大流行して、大正時代になると田舎の地域でもほとんど洋犬ばかりであったとされていたようです。
その一方で、日本から古来より存在していた日本犬は悪犬と見なす外国人の影響で、それまで存在していた在来犬は駆逐されかなりの数を減らしたとされています。
狂犬病の恐怖に怯えた明治時代
最近は猫人気が高まったことで少々押され気味である犬は、今では当たり前に買われていますが江戸時代の頃にすでに野犬として存在していました。
明治時代に入ると明治13年には飼い犬と野犬を区別する法律が作られ首輪をつけて鎖につなぐことが一般的になったのですが、狂犬病が大流行したことで多くの人間や家畜、動物が感染して命を落としたとされています。
狂犬病の流行は収まるところを知らず、政府はこれまでの「獣類伝染病予防規則」を改正して伝染病にかかった犬は殺処分することを定めたとされています。
狂犬病のワクチンが発明されたのは明治30年であり、犬のワクチン接種が行われるようになったのは大正時代に入ってからとされていますので、明治開花で新しいペットの文化が入ってきた一方で、当時の人々は狂犬病の恐怖に怯えながら暮らしていたことが分かるでしょう。