明治時代、自転車は高級品だった?女性は乗っちゃいけなかったって本当?

c The New York Public Library

今では当たり前のように乗られている自転車ですが、明治時代当時は非常に高級品であったとされています。

また、明治時代には自転車はどのように乗られていたのか考えてみましょう。

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明治時代は贅沢品?貸自転車屋がいたって本当?

明治時代の文献で自転車の名前が出てきたのは明治3年の頃で、定かではないですがやはり西洋から持ち込まれた説が高いとされています。

その後、明治10年になると鍛冶職人などにより日本人の小柄な体型に合わせた国産の自転車が製造され、明治23年には木製の自転車が作られています。

明治時代当初は輸入品が多かったものの、それでも自転車一台で200~250円、現在のお金に換算すると400万円相当と非常に高価だったことから庶民の間にはなかなか普及しなかったようです。

それでも一度は乗ってみたいと考える人が後を絶たなかったせいなのか、貸本やならぬ「貸自転車屋」の商売を始める人もいたとされています。

その貸自転車料は一回に30銭、明治時代当時のお金で言えばお昼ご飯10回分くらいの料金であったため、無理をすれば乗れないことはなかったようですが、それだけみんなの興味の対象で高級品だった自転車での窃盗は、拳銃を使う人もいたなど、今では考えられないくらい過激だったとされています。

そうはいっても、自転車に乗ることは今とは違い贅沢な行為と位置付けられており、税金がかけられていたり思わぬ接触事故を起こして告訴を取り下げてもらうには1年間自転車に乗車菌糸の命令を出されることもあったようです。

夏目漱石も苦戦した?明治時代の自転車の乗り方の本がすごい

夏目漱石がイギリスに渡英していた頃、ホームシックにかかってしまった際にその下宿先の女性が「自転車に乗って(気分転換)してみたら?」言うので勧められるままに乗ったところなかなか乗りこなすことが出来ずに女学生の大群をかき分けて車道から歩道に乗り上げてしまったことを記述した文章が残っています。

もちろん現在でも悪戦苦闘して乗っている人も少なくないのかもしれませんが、明治時代の人々は自転車を乗りこなすのに非常に苦労したとされています。

それもそのはず、明治時代当時には自転車の乗り方教本みたいなのが何冊か出ていたのですが、それに記載されている内容には嘘も多く記載されていたからです。

たとえば、自転車に乗っている際にヤギに遭遇した場合には、犬の鳴き真似をすると安全に通過できる、ということが書いてあったそうです。

その他にも、いわゆるサーカスのピエロなどがやるような曲乗りが出来なければ自転車を乗る者として半人前だとして、曲乗りを練習する人もいたとされています。

海外の書籍を意訳しているため、変な記述になってしまっているのは仕方ないのですが、明治時代の人々はその教本を片手に一生懸命自転車を乗りこなす練習をしていたのでしょう。

明治時代に女性が自転車に乗る事は好ましくなかった?

大正時代をテーマにした某有名漫画の印象に残る姿として自転車を颯爽と乗りこなす女学生の姿が非常に心に残っている人も多いと思われますが、実は明治時代に女性が自転車に乗ることは快く思われていなかったとされています。

明治時代、大正時代はまだまだ女性が男性と同じように通う学校が少なかった時代とされています。

もちろん、学校がなかったわけではないのですがそういった学校に通うにはお金持ちや良家の子女に限られていました。

お嬢様と言えばおしとやかであるのは当然であり、今では普通にできることもその当時の女性がやることは許されていなかったのです。

その許されていなかったことの一つが「自転車に乗る」ということでした。

大きく足を開いて自転車に乗ることは活発な行為に当たり、良家のお嬢様がやることではない、と思われていたのですね。

そのため、女学校によっては自転車に乗った女学生を停学処分にする学校もあったようなので、今では信じられない時代だった、ということでしょう。

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